公務災害補償業務
公務災害補償制度とは
消防団員の仕事は危険性が高く、事故の発生も少なくありません。そのため、消防団員が危険に直面して後顧の憂いなく十分な活動を行っていただくために実施されており、昭和26年に全国的に統一された制度となったもので、補償の主体は市町村とされています。
公務災害補償の種類としては、療養補償、休業補償、傷病補償年金、障害補償、介護補償、遺族補償及び葬祭補償の7種類があります。
なお、公務災害補償の範囲は、負傷、疾病、障害及び死亡の身体的損害に限られており、物的損害及び精神的損害(慰謝料)は対象となりません(補償の内容は、条例で決められた定型的な補償となります)。
また、昭和47年には附加的給付として、現在の福祉事業制度が設けられました。これは国家公務員及び地方公務員の公務災害補償で既に実施されていることから、特別職の地方公務員である消防団員も同様の給付を行うため設けられたものです。
福祉事業は休業援護金など18種類の事業があり、いずれも消防団員及び遺族の福祉の向上を図るものです。
公務災害補償の対象者
1. 消防団員、水防団員
2. 民間協力者
(1)消防作業従事者
①マンション・アパートの居住者等で、消防隊の到着前に消火、延焼の防止、人命の救助に従事した者
②火災現場付近にいて、応急消火に協力した者
③暴風、豪雨、地震などの災害時に、消防業務に従事したり協力した者
④火災現場付近で、消防吏員、消防団員(又は航空消防隊に属する県職員)からの要請を受けて消防作業に従事した者
(2)救急業務従事者
①事故現場付近で、救急隊員からの要請を受けて救急業務に協力した者
②事故現場等で、民間人が119番通報により「口頭指導員」の指示のもとで要救助者の応急手当に従事した者
(3)水防従事者
水防の現場にある者で、水防管理者、水防団長等からの要請を受けて水防業務に従事した者
(4)応急措置従事者
市町村内に災害が発生、又は発生しようとしている場合において、区域内に居住する者又は災害現場にある者で、市町村長から要請を受けて応急の措置に従事した者
(注)民間協力者は、(1)消防作業従事者の①~③以外は、あくまでも要請を受けてそれぞれの業務に従事した場合に対象とされます。
公務災害の認定
公務災害補償制度の補償を受けるためには、消防団員等が被った災害が、公務上の災害と認められ、公務災害の認定を受けることが必要です。
認定は消防団員等の災害について、消防団として公務に従事していた(公務遂行性がある)か、死傷病と公務に従事したことに原因と結果の関係が認められる(公務起因性がある)か、により判断します。
(1)公務遂行性
上司(団長、副団長、分団長等)の命令に従い、正規の消防団の業務に従事していることをいいます。
主な消防団の業務は以下のとおりとされています。
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| ①火災の鎮圧に関する業務 | 消火活動、火災発生時における連絡業務、火災現場における警戒(鎮火後の警戒を含む)等 |
| ②火災の予防、警戒に関する業務 | 防火訓練、広報活動等の火災予防活動、年末警戒、花火大会等における警戒等 |
| ③救助に関する業務 | 水難・山岳救助活動、救助事故現場における警戒、行方不明者の捜索等 |
| ④地震、風水害等の災害の予防、警戒、防除等に関する業務 | 住民の避難、誘導、災害防除活動、災害発生時における連絡業務、雪国における独居老人宅等の除雪等 |
| ⑤武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する業務 | 武力攻撃事態等における避難住民の誘導等(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第62条、第66条等) |
| ⑥地域住民等に対する協力、支援及び啓発に関する業務 | 応急手当の普及指導、祭り、イベント等での警戒、会場整理、スポーツ大会等への参加を通じた防火意識の啓発等 |
| ⑦消防団の庶務の処理等の業務 | 業務計画の策定、経理事務、団員の募集、広報誌の発行等 |
| ⑧その他地域の実情に応じて、特に必要とされる業務 | 地域の実情に応じて、特に必要とされる消防に関する業務 |
業務には、準備・後始末と任務遂行に付随する行為(生理的行為、食事、待機)が含まれます。
(2)公務起因性
公務に従事したことにより負傷し、又は肉体的、精神的に過重な負荷がかかり疾病にかかったことをいいます。その場合、公務に従事したことと、負傷又は疾病にかかったこととの間に社会常識ないし経験則に照らし合わせて原因と結果の関係が認められること(相当因果関係の成立)が必要とされます。簡単にまとめますと、以下のようになります。
「あの公務(消防団業務)に従事していなかったら、その災害は発生しなかったであろうし、その災害が発生しなかったならば、この傷病等は生じなかったであろう。」
災害補償の種類と概要
種類と概要は、こちら(PDFリンク)
特殊公務災害
特殊公務災害とは、消防団員が生命又は身体に対する高度の危険が予測される状況の中で火災の鎮圧、暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、その他の異常な自然現象若しくは異常な事態の発生時に、人命の救助その他の被害の防御に従事した結果、公務上の災害を受けた場合、通常の障害補償、遺族補償に補償額の100分の50を加算するものです。
賞じゅつ金支給事業
賞じゅつ金とは、消防団員が消防業務に従事するにあたって、一身の危険を顧みることなく職務を遂行し、そのため死亡又は障害の状態になったときに支給されるもので、種類及び金額は次のとおりです。
(1)殉職者賞じゅつ金
490万円以上2,520万円以下とし、功労の程度により定める。
(2)障害者賞じゅつ金
2,060万円以下とし、次の表に定める障害の等級区分毎に功労の程度によって定める。
| 障害の等級 | 功労の程度による支給額 |
|---|---|
| 第1級 | 2,060万円以下 490万円以上 |
| 第2級 | 1,550万円以下 460万円以上 |
| 第3級 | 1,360万円以下 410万円以上 |
| 第4級 | 1,210万円以下 360万円以上 |
| 第5級 | 1,030万円以下 310万円以上 |
| 第6級 | 900万円以下 280万円以上 |
| 第7級 | 760万円以下 230万円以上 |
| 第8級 | 640万円以下 190万円以上 |
上の2つとは別に、殉職者には「殉職者特別賞じゅつ金」を授与する制度があり、支給要件及び支給額は以下のとおりです(殉職者特別賞じゅつ金の対象となった場合には、上の殉職者賞じゅつ金は支給されません)。
殉職者特別賞じゅつ金
消防団員が、災害に際し、命を受け、特に生命の危険が予想される現場へ出動し、生命の危険を顧みることなく、その職務を遂行し、そのため死亡し、その功労が抜群と認められる場合においては、3,000万円を支給する。
なお、賞じゅつ金の支給の可否及び支給額については、審査会の審議により決定されます。
退職報償金制度
退職報償金とは
退職報償金は、退職した消防団員の多年の労苦に報いる功労金としての性格を持つ金銭給付であり、昭和39年度に消防団員の処遇改善の一環として創設されたものです。
退職報償金支給額
消防団員として5年以上勤務して退職した方に対して、その方の階級と勤務年数に応じて支給されます。
なお、その額は条例により決められており、次のとおりとなっています。
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| 退職報償金支給額一覧(単位:千円) | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 勤務年数 階級 |
5年以上 10年未満 |
10年以上 15年未満 |
15年以上 20年未満 |
20年以上 25年未満 |
25年以上 30年未満 |
30年以上 35年未満 |
35年以上 |
| 団長 | 239 | 344 | 459 | 594 | 779 | 979 | 1,079 |
| 副団長 | 229 | 329 | 429 | 534 | 709 | 909 | 1,009 |
| 分団長 | 219 | 318 | 413 | 513 | 659 | 849 | 949 |
| 副分団長 | 214 | 303 | 388 | 478 | 624 | 809 | 909 |
| 部長及び 班長 |
204 | 283 | 358 | 438 | 564 | 734 | 834 |
| 団員 | 200 | 264 | 334 | 409 | 519 | 689 | 789 |
(令和7年4月以後に退職した消防団員に適用)
退職報償金の支給制限
条例の規定により、次のいずれかに該当する者には、退職報償金は支給できません。
(1)拘禁刑以上の刑に処せられた者
(2)懲戒免職者又はこれに準ずる処分を受けて退職した者
(3)停職処分を受けたことにより退職した者
(4)勤務成績が特に不良であった者
(5)前後に掲げる者のほか、退職報償金を支給することが不適当と認められる者
宮城県市町村等非常勤職員公務災害補償等認定委員会
議会の議員その他非常勤職員に対する公務上又は通勤上の災害に対して、宮城県では、各市町村・一部事務組合等(以下「各市町村等」という。)において条例に基づいた補償を行うこととされております。
補償を実施するにあたっては、公務上又は通勤上の災害であるかどうかを認定することが必要となり、その際には、条例の規定により、公務災害補償等認定委員会の意見を聞いて判断することとされております。
この公務災害補償等認定委員会について、宮城県では県内32市町村17一部事務組合等で共同処理することとして、「宮城県市町村等非常勤職員公務災害補償等認定委員会」を設置し、本組合が事務局を担当しています。
なお、委員は5名で下記のとおりとなっています。
・弁護士
・医師
・宮城労働局労災補償課長
・地方公務員災害補償基金宮城県支部事務長
・宮城県町村議会議長会
宮城県市町村等非常勤職員公務災害補償等審査会
議会の議員その他非常勤職員に対する公務上又は通勤上の災害に対して、各市町村等の行なう公務上の災害又は通勤による災害の認定、療養の方法、補償金額の決定その他補償の実施について不服がある場合には、条例に規定により、不服の申立を行うことができ、この場合の不服申立は、公務災害補償等審査会に対して行うこととされております。
この公務災害補償等審査会について、宮城県では県内32市町村17一部事務組合等で共同処理することとして、「宮城県市町村等非常勤職員公務災害補償等審査会」を設置し、本組合が事務局を担当しています。
